マッサージの治療効果について
- Q12. マッサージ師という呼び方は正しいのでしょうか。
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指や手のひらを使用して患者さんを治療するマッサージ。一般的には、体をもみほぐすことを「マッサージ」として読んで居ますが、実は、日本で古くから行われている「あん摩」と、明治時代にヨーロッパから伝わった「マッサージ」、大正時代に日本で生まれた「指圧」に分類できます。これらの資格をを持った者を「あん摩マッサージ指圧師」と呼びますが、いつのまにか利便性からマッサージ師と呼称しています。従って、世の中に定着しましたマッサージ師と呼ぶ言い方は、誤りとは言い切れません。
ただ、整体院で従事する方が、マッサージ師として名乗ることは適切とは言えません。なぜなら、その方々は、あん摩マッサージ指圧師の免許を取得していないと思われるからです。
- Q13. あん摩とはどのようなものですか。特徴を教えてください。
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あん摩の「あん」は押してはたらきを押さえること、「摩」はなでてはたらきを整えることを意味し、これらを患者様の状態に応じて使い分けます。あん摩は、手ぬぐいや服の上から行い、主に体の中心から手足に向かって揉み進め、筋肉のコリを取り除き、体内組織の血液循環を良くして新陳代謝を盛んにします。また圧迫やストレッチを加えることで刺激を与えて生体の機能調節を図ります。特にお腹に行うことで、消化吸収を促進させることができます。
- Q14. マッサージとはどのようなものですか。特徴を教えてください。
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マッサージは、本来、オイルなどを塗布して直接皮膚の上から行うものを差します。静脈やリンパの流れに沿って、体の中心に向かうようになでたり、筋肉や関節を緩めながら揉み進めていきます。マッサージが応用される分野として、病院などで行われる医療マッサージ、スポーツ競技者に行うスポーツマッサージ、美容や痩身のための美顔・美容マッサージ、企業の社員への産業マッサージ、いわゆるリラクゼーションのための保健マッサージが行われています。
- Q15. 指圧とはどのようなものですか。特徴を教えてください。
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指圧は、古来のあん摩の手技と、柔道の活法とアメリカのカイロプラクティックなどの整体術が融合してできたものです。親指でツボのラインを押したり、運動療法を加えたりする特徴があります。その治療効果には、筋肉を和らげ、血液リンパの循環を促したり、背骨などの骨格を矯正し、神経や内分泌の働きを調整し、同時に内臓の働きを活発にするなどの作用があります。
- Q16. あん摩マッサージ指圧の適応症を教えてください。
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肩こり、だるさ、頭痛、頭重、めまい、耳鳴り、疲労、腰痛、便秘、不眠、食欲不振、冷えなど、いわゆる半健康症候群があります。また、内因性の疾患(神経痛、麻痺、脳卒中後遺症、リウマチ、本態性高血圧など)や、外因性の疾患(関節の変形、骨折、脱臼、捻挫の後遺症など)が挙げられます。
これらの症状や疾患は、血液やリンパの流れのわるさからくるものが多く、あん摩マッサージ指圧はこの循環を改善し新陳代謝を促進させることができます。
また、関節の運動療法により筋力を高めたり、麻痺の改善を図ったり、皮膚感覚を刺激することで、自律神経やホルモン分泌を整える効果があったりします。
- Q17. 肉体的な効果の他に、鍼灸やマッサージの効果は何ですか。
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皮膚への心地よい刺激や、治療中の患者さんと施術者との間で行われるコミュニケーションにより、カウンセリング効果も生まれて来ます。患者さんが抱えている精神的なストレスの緩和にも繋がります。